初体験

「急がないと、遅刻する―」
俺はそう思いながら自転車をこいでいた。
午前8時10分、いつもと変わらない登校風景。
俺は車が切れたのを見計らって道路の右側に自転車を移して上り坂に備えてこぐ足にいっそう力を込めた。
その瞬間。
向こうから物凄いスピードで下ってくる女子高生の姿が目に入った。
ぶつかる―、そう思った俺は左にハンドルを切った。
が、あろうことか彼女も右にハンドルを切ったのだった。
同じ方向に避けてしまった俺と彼女は正面衝突。
彼女は地面に倒れこんだ。
「大丈夫ですか?」
そう彼女に俺は問いかけた・・・
・・・返事が無い。
体を揺すってみる・・・
・・・反応が無い。
どうやら彼女は意識を失っているようだ。

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